2011/12/31

南相馬市ボラ録

今日は、先日の南相馬市ボでのランティアについて。

 2011年3月11日、東北太平洋岸沖で大きな地震が起き、巨大津波が東日本の海岸に押し寄せました。

 私はその時、仕事で車の運転をしていて、関西で感じられた「ゆれ」は分かりませんでした。
 地震の約30分後に押し寄せ始めた、津波の映像をテレビで見て、仕事が手につきませんでした。これが現実のものかと、でもテレビから目を離すことができませんでした。


 そして、津波と停電によって起きた、原発事故。起きてはならない事故が起きてしまいました。


 震災後、すぐにでもボランティアに行きたいと思いましたが、仕事をしていると、なかなかボランティアに行くことができませんでした。でも、機会があれば東北に行きたいと、ずっと思っていました。


 11月に、仕事を辞めることになり、迷わず東北へボランティアに行こうと思いました。

 今回ボランティアに行くなら、福島県に行こうと思っていました。以前も書きましたが、地震、津波だけでなく、原発事故の影響を大きく受けているためです。人災は、被った人にはなんの責任もありません。人として真剣に考えければならないこと、と思います。


 ネットで色々調べましたが、夏以降、各地のボランティアセンターは縮小していました。
 でも、ニュースでは夏休み以降、ボランティアの数が減ってきていると言います。行っていいのかどうか、迷いもありました。

 ボランティアに行く前、四国お遍路を歩いた時、震災後の被災地へ行かれた方と出会い、お話をすることができました。

 「まだまだボランティアは必要で、これから被災された方の精神的なケアが必要になるので、ぜひ行ってください。」とアドバイスをもらいました。


 私は南相馬市のボラセンのHPを見て、ボランティアに行きました。
 被災された方の生活が、避難所から仮設住宅に変わってきて、名前も「震災復興ボランティア」から「生活復興ボランティア」に変わりました。


 南相馬市は、鹿島区の社会福祉協議会にボラセンがあります。社協に生活支援相談員室があり、私はそこで活動させていただきました。

 
 生活支援相談室の方たちが、毎週1回、各仮設住宅の集会所でサロン(いわゆるお茶飲み会。といっても、身体を動かしたり、保健師さんや専門の方たちのためになる話を聞いたり、ボランティアの方のパフォーマンスがあったりと、色々なイベントがあります。)を行っています。


 サロンに来られた方にお茶を入れて、血圧を測って、お話をして、一緒に体操をして、楽しい時間を過ごしました。生活支援相談員の方、イベントをされる方、みなさん笑顔で過ごせるように、工夫されていました。笑顔の大切さを改めて知りました。


 サロンに来られた方、地元の方とお話をすることができました。

 (家の1階に津波がきた方) 自宅の1階まで津波がきて、2階に逃げて一晩明かした。次の日、履物が流されていたので、裸足で逃げていたら、知らない人が声をかけてくれて、足を洗ってくれて、履物をくれた。ありがたかった。

 (津波で家を流された方) 震災後、子どもの所へ身を寄せて、仮設ができて戻ってきた。今着てるものは、支給されたものだ。

 (原発事故のため、避難区域より避難されている方) 避難した後、1回家に行った。短時間では何も持って来られない。帰れるかどうか分からない。

 (相馬市からボランティアで来られた介護福祉士の方) 地元の若い者が支えていかなければと思っている。

 (宿泊していたビジネスホテルのお風呂で会った地元の方) 家は無事だったが、放射線が不安で那須に避難している。

 (ビジネスホテル近くのお好み焼屋さんの店員さん) 自分の友達が津波に流されたので、鹿島区の方には行くことができない。この店は、元気にがんばっている。

 などなど・・・。

 ボラセン、生活支援相談室の方々にはお世話になりました。仮設住宅の方たちの生活に気を配り、相談にのりながら、支援物資の受け入れ、分配など色々な業務をこなされています。本当に頭が下がります。

 
 私が行った時は、もう瓦礫は街にはほとんどありませんでした。でも、再開できない店が街中にあったり、海岸線の方へ行くと、津波の跡を見ることができます。電車も動いていませんでした。


 私が見た、南相馬の風景です。
 
































 最後の写真の左に写っているホテルに宿泊しました。少し向こうに行くと、電気屋さん、スーパーなどの店舗が集まった所があり、表向きは便利に見えます。


 でもこの道の約4km先は、東京電力福島第一原発から20km圏内に入る為、立ち入り禁止区域となります。


 1人で行って何ができたか、分かりません。「奈良から1人で来た」と言うと、「遠いところから、1人でご苦労さん」と言われました。励ますどころか、励ましてもらったり。


 でも、遠くに住んでいても、日本中の人が応援していると知ってえもらえたら、と思いました。また南相馬市に来て、復興を応援したいと思います。


 人一人の力は小さいものですが、たくさん集まれば大きな力になると信じています。これからも、小さな力が集まり、大きな力になるように願いながら、自分ができることをしていきたいと思います。


 12月21日に、不通だった常磐線の一部、原の町~相馬間が再開したとのニュースを見ました。この前後、原の町より南は原発の避難区域に入る、相馬より北は海岸に近いため、復旧のめどが立っていません。
 でも通勤・通学の要、電車が動き始めたのは、復興の小さな一歩です。




読んでくださりありがとうございます。
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